■１番人気・１着■　ダート王国の米国リーディングサイヤーを父に持つ良血馬が、ダート替わりで一変し２歳レコードを更新する圧倒的なスピードで快勝した。デビュー戦は阪神芝1200ｍで逃げ馬を捕え切れず２着惜敗も最内から上がり最速をマークしてポテンシャルの高さを示し、ダート替わりの２戦目は単勝1.9倍の支持を集める。今回からブリンカーを着用しての最内枠は懸念材料となっていたが２着以下に大差を付ける圧勝で初勝利を飾った。スタートでヨレて隣の馬に接触しダッシュは付かなかったが、芝スタートからダートに入ったところで一気に加速して主導権を握る。２Ｆ目から10.8-11.4秒とスピードを見せ付け前半34.2秒のハイラッブを演出。持ったままの手応えで直線に向いてもスピードは全く鈍らず、後続との差をグングン広げ独走態勢に。残り３Ｆから12.2-12.0秒と再加速し、ラストは追われることなく持ったままの楽勝で、２着以下に2.0秒差を付ける１分10秒８は２歳レコードを更新する圧勝劇となった。やや水分を含んだ馬場も味方した時計ではあるが、同日に行われた３歳以上１勝クラスの時計を１秒３上回り、２勝クラスとも遜色ない時計を２歳夏の時点で楽にマークする素晴らしい走りであった。揉まれる競馬になった際に課題は残しているが、ダート短距離戦の適正は確かで今後ダート２歳世代のトップクラスになれる器と感じさせた。今後の動向に注目していきたい。

■３番人気・１着■　スプリンターズＳの覇者アストンマーチャンを近親に持つルヴァンスレーヴ産駒が、序盤の不利を克服する圧巻の走りでデビュー勝ちを飾った。米国産の良血馬イダテンシャチョウが圧倒的な人気に推され、好調教馬が揃ったメイクデビュー戦。新潟ダートコースでの出遅れは致命的と思われたが、スピードの持続力と操縦性の高さや勝負根性が光った初陣となった。５番枠からスタートで立ち遅れ密集した馬群に包まれ後方に置かれてしまう。鞍上が追っ付けながら馬群を捌いて徐々にスピードに乗せて上昇すると、３コーナーでは前４頭から離されてはいたが５番手にまで浮上する。４コーナーのコーナーワークで最内から馬群に取り付いたが、直線に向くと下がってきた逃げ馬に進路を塞がれ外に切り返すロス。その間に抜け出した断然人気馬が押し切るかに思われたが、再加速して内から猛追しゴール前で僅かに捕えて接戦を制した。道中でかなり脚を使っていた雰囲気であったが、馬群を捌きながら上昇し抜群のコーナーリングでスピードを維持し、ゴール前で競り落とす勝負根性も見せた。道中の走りから距離は忙しかった印象で、マイルの距離でさらにパフォーマンスを上げてくるだろう。母父・ゴールドアリュールも魅力で成長力にも期待でき、古馬になってからも長く一線級で活躍が見込めそうだ。適鞍がなく放牧に出されるようだが、復帰戦を楽しみに待ちたい１頭である。

■１番人気・２着■　クラシックを意識する中距離メイクデビュー戦に素質馬が揃い、武豊騎手が手綱を取ったアストロレガシーが初陣を飾ったが、２着のマテンロウゲイルは展開不向きのなかでも豪脚を発揮し、ポテンシャルの高さを十分に示している。エピファネイア産駒で難しい面があり、まだ気性面も幼さを見せながらウッド追い切りでラスト10.9秒を馬なりでマークするなどキレ味が武器になりそうな走り。鞍上には横山典騎手を配し競馬を教える観点からも後方からのレース運びとなる。中距離のメイクデビュー戦らしく序盤からペースが上がらず中盤も緩い流れとなり、ラスト11.8-11.1-11.1秒と極端な上り勝負となる。序盤から先行集団とは離れ後方を追走していたが、折り合いはしっかりと付いていた。３コーナーからややピッチが上がると鞍上は促しながらの追走となったが、エンジンがかかると徐々に進出を開始し直線を向かえる。大外に持ち出されると速い上がりを物ともせず坂下から一気に脚を伸ばし、やや内に刺さりながらも上がり３Ｆ33.1秒の最速をマークして勝ち馬に１馬身差まで詰め寄り、ラスト２Ｆは推定で10秒台を連続する豪脚であった。まだ幼さが残り乗り難しい面は残るが、実戦を経験した次走は追走力や反応面が良化するはずで、２戦目で初勝利の期待は大きい。